看護師のひとり言

看護師のひとり言
眼科看護師として
  今から約20年前、私は看護学校を卒業し看護師としての第一歩を岡山大学病院眼科病棟で歩み初めました。当時は私も若く 興味のある方はこちらへもちろん医療も今とは大きく違っていました。ちょうど、岡山大学眼科としての第一例目の人工眼内レンズ挿入術が開始された時期でした。当時は白内障の手術は1時間以上かかっており、術後も頭の横に砂嚢を置き手術翌日まで絶対安静を強いられていました。 あれから約20年、周知のように著しく医療、機器、技術が着実に進歩してきました。現在手術後の患者さんは、1人で歩いてトイレも行き、日帰り手術で退院と安静度も変わってきました。  その後、井上眼科の看護責任者として13年間勤務していますが、この間特に感じるのは、白内障の患者さんにとって手術後良い視力を得られた時の喜びがとても大きいことです。「これまで壊れていたと思っていたテレビが新品になった。」「鏡を見たら、たくさんシワやシミがあってこんなに年をとっていたなんて思わなかった。」「家の中が汚くて毎日掃除をしている。」「手術をして本当に良かった。」と笑顔の患者さんの手をとり視力回復への喜びを「共感」できた時はこの仕事のやりがいを感じます。  しかし、医療が進歩しても変わらないのは、人間の気持ちです。たとえ短時間で手術が終わるとしても手術前に抱かれる患者さんの不安な気持ちはいつも変わりありません。「手術をして見えなくならないか。」「手術は痛くないか。」「眼をとり出してメスを入れるのか。」など手術への恐怖感は図りしれません。また「手術の間じっと出来るだろうか。咳が急に出たらどうしようか。」「怖いからずっと手を握っていてね。」「手術中おならがでても笑わないでね。」といろんな本音を私たちにぶつけてこられます。  私たちはすべての患者さんの不安を真剣に受け止めて不安の緩和に努め、いつも笑顔で話を聞く態度で接しています。昨今、医療に対して様々な批判的な意見が多く、正しいインフォームドコンセントや科学的医療(EBM-evidence based medicine)が求められています。看護学も根拠に基づいた看護(EBN-evidence based nursing)が重要視されています。こうした時代の流れに遅れないよう新しい知識を得ていくことも重要ですが、一方で患者さんの気持ちを大事にした、心のケア、人間的看護を行うことで患者さんに満足して頂けるよう日々努力しています。
                                  眼科康誠会 井上眼科 看護師 K . T
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