看護師のひとり言

看護師のひとり言
ホッと一滴 目薬タイム 〜いくつかのエピソード〜
 看護師のみならず、医師、スタッフは毎日疾患の説明、検査や手術の説明にと追われています。その中でも眼科の患者さんの治療に欠かせないものに点眼があります。その点眼の説明には外来、もしくは手術の前後に看護師が大活躍(?)しています。  
 通常、一人の患者さんには何種類かの目薬が処方されますし、左右違う種類の目薬を使用する患者さんも少なくありません。使用法と注意点、副作用、保存法などについて丁寧に説明し、「目薬の入れ方はわかりましたか?大丈夫ですか?」と最後の確認をして帰っていただきます。その後、すべての患者さんが本当に正確に点眼ができているかどうかは確認できないのが現状で、今まで(眼科看護師になって早11年)いろいろな体験をさせていただきました。
エピソード1
白内障の手術をされた60歳代の女性の方で、目の経過も良好、手術の翌日より3種類の目薬を使用するように説明しました。手術後、2日目、3日目と患者さんへ電話をして「目薬はちゃんと入れていますね。」と必ず確認し「はい、もちろん入れています。」といい返事をもらっていました。ところが1週間後の診察の時、目薬を確認したところ、ほとんど減っていないではないですか!! 時々目薬を使いすぎて、ご指導させていただく患者さんはおられますが・・。 目薬が全然減っていないと詳しく話を聞いてみると、「目薬はちゃんと1日4回点眼していますよ。1本づつ順番に・・」と言われ、びっくりしました。 本来は3種類の目薬をそれぞれ1日4回、朝、昼、夜、就寝前に使ってほしかったのです。
エピソード2
80歳代の女性の方で老人施設に入所されている患者さんが、白内障の手術を受けるため息子さんと来院されました。緑内障の症状もあり、大変多くの種類の目薬を使用しなければならず、目薬の点眼方法も複雑です。しかも、手術前の目薬が加わり、また使用中止になる目薬もあり、さらに複雑に! 点眼表を作って納得して帰宅したはずだったのですが、後日、患者さんから電話がかかり「目薬の入れ方で意見が食い違い息子と喧嘩した!」と言われるのです。この時、もう一度患者さんに十分説明し、施設の方に直接電話と手紙で目薬の管理をお願いしました。
エピソード3
外来にこられている患者さんで目薬の種類の変更があり、見本を使って説明した後に「そんなん見えんわ!」と言われ、初めてその方の視力がないため、見本を見る事ができない事に気がつきました。患者さんに対して、本当に申し訳なく思いましたし、気がつかなかった自分がとても恥ずかしくなりました。
エピソード4
高齢で一人暮らしの患者さんに、「3時間ごとに点眼するように!」と医師より指示が出ていました。「夜、寝ている間は点眼しなくていいですよ。」と説明はしたのですが、次の日に来院された時に「昨夜は夜も起きて目薬を入れたので血圧が上がった。」と言われ、この時もまたわかってもらえなかったと説明不足を反省しました。  外来患者さんを見ていると、一人暮らしで高齢の人が多く、同居されていても介護する人がいない方、手足が不自由な方、視力が悪い方等100人の患者さんがいれば、100通り様々の患者さんがおられます。それに加え患者さんの症状を瞬時に把握し、一人一人にあった点眼指導をするのは、大変難しい事だと思います。しかし、ちょっとした心掛けや、患者さんへの気配りで患者さんの「できる」につながるように感じます。もちろん私たちが、目薬の知識も十分に持ち合わせている事も必要だと思います。  それから、上記に書かせていただいた事は、患者さんへの批判でも、文句でもありません。まだまだ年はとっても(若いつもり)未熟者です。患者さんとのいろいろな体験を通して、勉強させていただいていると思っています。一方では感謝の気持ちを読んだ句や、お手紙なども下さる方もおられ、私の励みや、仕事へのやる気につながっています。いろいろな方との出会いを大切にしながら、今日も眼科看護師としての技を磨くべく、そして人間として成長できるようがんばっています。  これから眼科にかかろうとしている患者さん!ずっと通院されている患者さん!「私の病気なに?」「この目薬なに?」「使い方どうだったー?」等思っている事ありませんか?こんな私でよかったらいつでも呼び止めて下さいね。
             眼科康誠会 井上眼科  看護師  M・T
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