看護師のひとり言

看護師のひとり言
目指せ!看護の達人!!
約10年前、私は無床の医院で、手術室担当スタッフの一人として第2の看護師人生をスタートさせました。
 眼科ほどこの20年で進歩した医療はないと言われています。  
 当院では白内障手術を100%日帰り手術で行っていますが、10年前には「えーっ!!入院しなくても本当に大丈夫なのですか?」と驚かれる患者さんがほとんどでした。しかし、新聞・テレビ・雑誌等を通じて、患者さんの耳にも多くの情報が入る様になった現在「入院しなくてもいいと聞いてここを選びました。」と言われる患者さんが多くなってきました。  
 医師が進んだ医療技術を提供しようとすると、看護師も知識的にも技術的にも専門性の高いレベルを要求されます。又、様々な時代背景に伴い、独居・高齢・痴呆・他疾患合併患者さんの手術例がずいぶん増えてきました。当然看護師の役割も多岐にわたり、全身管理が出来る事を要求されます。加えてこれからの眼科医療には患者さんの心へのケアがとても重要になってくると考えています。  
 私が知識も技術も心も大切であると強く思うのは、まだ若かった頃(今でも十分若いですが・・・)の次のような2つの出会いがあったからです。
<出会い1?看護学生時代?白衣の天使との出会い> 
 大学受験に失敗し仕方なく入学した看護学校での初めての基礎実習。当然やる気のない私。難病病棟なので、患者さんは全員寝たきりで、2時間毎の体位変換・食事介助・排泄介助etc.・・・「看護師さんってこんな仕事するのだぁー」と本当に衝撃的でした。  
 何せ、排泄介助と言ってもポータブルトイレに移動できる患者さんはほとんどいなくて、おしめ交換が当たり前。おまけに毎日入浴出来ないので、汚れるからという理由できれいさっぱり悌毛されている××ショックでした。「相手、人間だよね・・・」と思って涙した事を今でもはっきり覚えています。逃げ出したかった私の前に現れた先輩ナースがとてもすごかった!白衣の天使って本当にいるのだと思いました。憐としていて、優しくて、てきぱきしていて「この方は○○だからこうしてあげると楽なんよ」とか患者さんの反応がなくても、私から見ると怒っている様に見える患者さんでも、みんな接し方が同じで、私もこんなすてきな看護師さんになりたいと思いました。その先輩が書いたカルテは、患者さんのバイタルサインや看護処置を並べた記録ではなく「患者さんがする動作にはこういう理由があるからこう接するとよい」という様に、相手をよく知って、疾患をよく理解して、加えて愛が必ずある記録が書かれてありました。この出会いが看護師としての私の出発点です。
<出会い2?新人看護師時代?私の背中を暖めてくれた天使との出会い>  
 知性と教養と愛のある看護師を目指して、内科病棟に勤務して約半年。初めての一人夜勤。ドキドキしていました。深夜2時の見回り。異常なし。順調。深夜2時15分ナースコール。訪室すると「隣の人が息をしていない。」と言う。整形のリハビリ目的で入院していた女性の患者さんで、原因は心筋梗塞でした。  
 隣の患者さんからナースコールがあって、担当医師に連絡、当直医師に連絡、救急カートを押して猛ダッシュ。気管内挿管・サーフロ針留置・心臓マッサージetc.・・・私は自分が何をしたのか全く覚えていませんでした。ボーッと突っ立っていたのかもしれません。その時、婦長当直だった主任看護師さんが放心状態の私の背中に手を当てて「大丈夫。今日の事はきっと役に立つから。」と言ってくれました。その手のぬくもりと、その声の優しさは心にジーンと響いて、ホワッと広がったのを今でもはっきり覚えています。  
 その場面場面で精一杯看護することの大切さを学んだ出来事でした。とにかく明るく、優しく(1年目のナースとしてはそれ位しか取り柄がなかったので・・・)そして、勉強を忘れないぞと誓った出会いでした。  

 最後に、現在眼科看護師として痛感するのは、見えなかった患者さんが見える様になるという、眼科でしか体験出来ない喜びを患者さんと医療従事者が共有できる幸福は、心のこもったケアがなければうまれてこないと思います。私には私にしか出来ない看護があると信じているので、これからも自分を磨いて、患者さんの為にスタッフの為に良い看護が提供できる様、努力していきたいと思っております。  
                                         那須眼科  看護師  A・S
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